カジューのインド徒然草

インド(ニューデリー在住)。旅行記を中心にインド生活を綴る。ヒンディー語も勉強中。20代中盤のインド大好き若手駐在員の徒然なる日常を書き記します。

第13回インド旅行記 ケララ(Kerala) アレッピー編

2023年12月31日、私たちは前回のコチ編に引き続いて、ケララアレッピー(アッラプーザ)に行く計画を立てていた。ケララ観光の中でもトップクラスに有名な、ハウスボート(宿泊機能付きボート)に乗って川を下る、バックウォーターというアクティビティに是非参加してみたかったのだ。大晦日を川の上で過ごし、美しい景色を眺めながら一年を振り返り、1月1日の朝に船の上で朝食を食べて、バックウォーターの旅完結。といった流れだ。

 

コチ編はこちら。

第12回インド旅行記 ケララ(Kerala) コチ編 - カジューのインド徒然草 (hatenablog.com)

 

12月31日の朝、私たちは宿泊していたコチのHotel Baywatchにいた。彼女はこのバックウォーターに合わせてサリーを着ようと思っていた。サリーは一人できるのはかなり難しいので、前日にホテルの人にお手伝いを頼んだ。朝9時に部屋に来るように頼んでいたのだが、待っても待ってもなかなか来ない。結局何度もフロントに電話をして最初頼んだ時間からはかなり遅れてスタッフが到着。一応、コチからアレッピーまでは車で2時間弱かかるのでちょっと時間が心配だったが、10時前にはホテルをチェックアウトしてUberに乗ることが出来た。アレッピーまでの道中、車の窓から外を見ると、インドの田舎の景色が広がっていた。基本的には何もない荒野のような道だが、たまに店が密集しており栄えている地域がある。目的地の近くにはホテルも何軒か立ち並ぶようなエリアも有ったが、このアレッピーにハウスボート以外で宿泊する人っているのだろうか、と思った。

 

到着

コチから車を走らせること2時間弱、予約したハウスボートのホームページに記載されている場所に到着した。が、どこに集合すればよいのか場所がよくわからない。そもそもハウスボートってボートだし、直接ボートに集合するのかな?とか思っていると、Uberのドライバーがハウスボートの会社に私たちの代わりに電話してくれた。そして集合場所(結局到着場所から500mくらい離れた場所だった)に移動して、スタッフが来るまで待ってくれた。なんと優しいドライバーだろうか。ケララでは、北インドでは中々出会わないような気持のよいドライバーとよく出会う。これも地域性なのだろう。

遡る事1日、前日にハウスボートの会社からWhatsAppで連絡が来た。「今はホリデーシーズンで需要が高い時期。なので、宿泊料の半分を前払いで送金してくれ。」とのこと。ちょっと怪しいなと思ったが、それほど高い金額でも無いので、変にキャンセルされるのも嫌だなと思い支払った。Booking.com経由で予約したのだが、サイトには集合時間や行程の詳細な情報は載っていなかった。丁度いいと思い、WhatsAppで色々聞いてみた。船は13時ごろに出発する。12月31日の昼食・チャイ(軽食)・夕食、1月1日の朝食が着いているらしい。13時に出発とかいう超重要な情報はサイトに書いておけよと思ったが、まあ良い。サリーの着付けにやや時間がかかったが、12時過ぎには目的地に到着し、余裕を持ってハウスボートに乗船できる状態になっていた。

 

ハウスボート乗船

スタッフに、今回乗船するハウスボートに案内された。ここはたくさんの船の停泊所となっており、10を超える似たようなハウスボートが停泊していた。スタッフに連れられて歩いた道には少しのお土産屋があったが、それほど活気がある場所では無かった。

停泊所には10を超えるハウスボートが並んでいた。この手前ではハウスボートの客引きもあった。

いざハウスボートに乗船。我々以外にも3グループくらいが同じハウスボートで宿泊するらしい。

我々の乗ったFlemin号。

部屋の中にはベッドが一つと、風呂トイレの部屋が一つ。カーテン付きの窓が有り、外を眺めることができるようになっている。しかし部屋の中はお世辞にも綺麗とは言えない。シャワールームもかなり簡易的なもので、正直あまり使いたいと思えるような清潔さでは無かった。そして極めつけは、部屋の中に、たくさんの小さな蟻が歩いている。。。これはかなり最悪だった。

ハウスボートは2階建てになっており、1階がメインの客室で、我々の部屋も1階にある。2階にも1つ客室が有るのと、奥には広い食堂が設置されている。ここで食事をとるらしい。また、食堂の奥はテラスになっており、風に当たりながら外の景色を眺めることができる。このような造りになっている。

 

ランチ

小腹が減っていたが、ランチまではまだ時間がありそうだったので、部屋のベッドで寝ころんで時間をつぶしていた。すると外から部屋をノックされて開けると、スタッフがウェルカムドリンクとして謎のドリンクを渡してくれた。有難いことだが、正直怖くて飲めなかったので取り敢えず枕元においておいた。そうしているうちに、エンジン音が聞こえてきて、船が動き始めた。景色を見ようと思い、2階へ上がった。食堂の奥にあるテラスに出て、外の景色を眺めていた。

出発すると早速この景色。

海のように見えるが、大きな川を下っている。

海のように見えるが、大きな川を下っている。

右下に見える小舟は、ハウスボートの乗客に対して「スピードボートのアクティビティやらないいか?」と客引きをしている。


一通り景色を堪能した後、とりあえず部屋に戻る。扉を開けると、先ほど枕元に置いておいたウェルカムドリンクに蟻がたかっているではないか。。。彼女にバレたら悲鳴を上げそうだなと思ったので、ばれないようにサッとドリンクを洗面台に流した。一通り写真も撮り終わったので、彼女は動きやすい服装に着替えたいとのことで、普通の格好に着替えた。そのまま部屋でランチまで時間をつぶしていると、14時ごろにスタッフが部屋にきて、ランチが出来たとの声掛けをしてくれたので、また2階に上がった。

ランチ。カレー・ライス・サブジー(野菜)・タンドリーチキンなど。味は可もなく不可も無く。


味は、美味しくもまずくもない。というか、我々の部屋の横がキッチンになっており、2階に上がる時にキッチンの様子が見えるのだが、衛生面大丈夫か?と思われるような雰囲気が漂っていたので味よりもそっちの方が心配になった。

 

ボートからのビューを堪能

ランチを終えて、食堂の奥のテラスに向かう。外には椅子がおいてあったので、椅子に座って心行くまで景色を堪能した。この景色は、大晦日の雰囲気も相まって、これまでの人生で経験した中でもかなり上位に食い込むほど最高の景色だった。

優雅で心が落ち着く。周りには他のハウスボートもたくさん運航している。

どこまでも川が続いていくような感覚。静かで美しい。

時間を忘れて外の景色を眺め、ゆっくりと落ち着いていると、宿泊しているインド人のグループがスピーカーで大音量の音楽を流し始めた。これはインド人特有の問題なのだが、本当にやめてほしい。絶対に静かにゆったりとした雰囲気を楽しんだ方が良いと思うのだが。一部のインド人は、大音量で音楽を流して周りに影響を与えることがカッコイイことだと思っているので救いようがない。周りにも、何隻も同じようなバックウォーターを楽しむハウスボートが運航していた。スタッフがチャイを配ってくれたので、チャイを飲んで一服。最高です。

頂いたチャイを飲みながら景色を眺める。



部屋に戻ると、今度は先ほどウェルカムドリンクをこっそり流した洗面台に蟻がたかっていた。。。トイレを使った彼女が発見してしまったので、もうしょうがない。インドのトイレに必ずついている洗浄用のシャワーで洗面台のアリを流した。こいつら以外にも、部屋の中に小さなアリはめちゃくちゃいたが、気にしていたらもう何もできないので無視することにした。

 

夕食

夕食の時間。また2階の食堂へ。また美味しくもまずくもない味だった。夕食の時間には、我々が宿泊しているハウスボートは、元々停泊していた場所とほぼ同じ場所に戻ってきていた。

夕食前の時間には停泊所の近くに戻ってきた。テラスからの景色はこんな感じ。左手には現地の人が暮らす集落があった。

奥に見える夕焼けがとてもきれい。

夜通し、川や海辺を回り続けるのだろうと思っていたがそうではないらしい。このハウスボートは我々以外にも一組観光客の白人男女が宿泊していた。男性の方は厳格なベジらしく、スタッフに「この料理にギー(牛の油)は使用されているか?」と質問するのだが、スタッフの英語力の低さからあまり伝わっていない様子。何度も何度も質問して、やっと理解してくれたみたい。

 

就寝

疲れていたこともあり、就寝。昨年までの12月31日とは全く違う過ごし方だった。日本にいるときは、大晦日は基本的に実家にいた。大学生の時も社会人1年目の時も、年末年始は実家に帰省していた。実家ではテレビを流しながら、持ち帰った寿司やお菓子、ジュースを飲み食いしていた。紅白だったりガキ使を見ながら。社会人2年目の2022年の大晦日は、12月28日の仕事納めの次の日から40℃の熱を出してしまい、帰省できなかった。これはこれでまた大変だったのだが。。。コロナがまだ問題になっていた時期だったので、発熱している人は病院に行けないという意味の分からないルールがあった。ただでさえ大晦日で開いている病院が少ないのに、やっと開いている病院を見つけたと思ったら受け入れ拒否。結構命の危機を感じるほどの高熱だったのだが、結局は家でご飯を食べて寝て治すことに。結果的に彼女の帰省も取り止めさせてしまったので本当に申し訳なかった。結局数日で熱は下がったのだが、熱が出ている人を病院に入れさせないってどういうこと?と今でも思う。むしろ一番診察しないといけないでしょう、と。勿論病院内でコロナが流行ったら大変だから、と言うのは分かるのだが、これで病院をたらいまわしにされているうちに結果的に命を落とされた方って、結構少なくないんじゃなかろうかと邪推するような出来事だった。話がかなり脱線しました。

 

あけましておめでとうございます。

朝になった。インドはアレッピーで2024年1月1日を迎えることになるとは、数年前の自分は想像もしていなかったことだ。朝ごはんを食堂に食べに行った。

朝食は、パパド・トースト・豆のカレー。味は可もなく不可も無く。

夕食と同じクオリティの朝ご飯だ。朝、また船でどこかを回ったりするのかな、という淡い期待を抱いていたが、朝ごはんを食べ次第順次解散していく雰囲気だった。我々も部屋に戻って荷物をまとめてコチに戻ることに。来た道を同じく2時間弱掛けて、フォートコチに戻った。これ迄宿泊していたHotel Baywatchでは無く、新しく予約したFortkochi Beach Innというホステルに向かった。1泊しかしていないが、ビーチにも近く、お風呂やシャワーもそれなりにしっかりしていた。次回コチに来ることが有れば、最初からこのフォートコチ付近のホステルを予約しようと決めた。

また、このホステルのアメニティはそれ程充実しておらず、彼女は歯ブラシを持参していなかったので購入する必要があった。コチ中を歩き回り、雑貨屋さんで購入。基本的に何か忘れ物をしても、コチでなんとか現地調達できることも学んだ。

 

備忘録
  1. ハウスボートでのバックウォーターの体験は、インドにいるのであれば是非一度はやってみるべき。それほどに素晴らしい景色と心の落ち着く体験だった。ただ、お金に余裕があればもう少しランクの高いハウスボートを予約するとか、自分たちだけの貸切船にするとかすると、ストレスなく宿泊できそう。
  2. 晦日を海外で過ごす初めての経験。日本の大晦日のゆったりとした感じが懐かしい。あまり日本が恋しくなることは無いのだが、少しだけ日本シックになった。

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