2024年になり、もうインドに渡航してから半年が経とうとしている。時が経つのはこれほどまでに早いのかと思い、ヒンディー語の勉強の進捗や、個人的に勉強している資格試験の勉強に対するアプローチの仕方もギアを入れなおして頑張っていかないといけないなと思う。思っているのにやはり行動に移すのは難しいですね。でも、2024年も心機一転頑張ろうと思います。と言いつつなかなか動けず、やろうと思っていた文章の執筆の開始も1月末まで延びてしまったのですが。途中体調不良も有ったとはいえ、だめですね。。。
さて、今回はMadhya Pradesh(MP)州にあるKhajuraho(カジュラホ)という町に行ってきました。カジュラホはとても小さな町ですが、とある像が幾つも掘られたヒンドゥー教寺院がとても有名で、日本でもそれなりに知名度がある場所です。とある像とは、日本語ではしばしば”男女混合像”と表現され、現地の言葉(もとはサンスクリット語)ではKamasutra(カーマスートラ)と呼びます。つまり、性行為を表す像がいくつもいくつも掘られている、そんな寺院が立ち並ぶ場所なのです。歴史的にもとても古く、どの寺院も大体900~1000AC頃に建立されたものになります。ブログでは写真も交えながら色々と紹介したいと思っているのですが、私がこの寺院を見て思ったのは、1000年前からもう人間の性は殆ど探求尽くされているな、と思ってしまいました。それ程に色々な種類のカーマスートラを見ることが出来ます。
記憶が新しいことも有ると思うのですが、書き始めるとどんどん書いてしまったので、2回に分けて投稿したいと思います。
その2のリンクはこちら。
第14回インド旅行記 カジュラホ(Khajuraho) その2 - カジューのインド徒然草 (hatenablog.com)
到着
金曜日の夜デリーを発ち、1時間半ほどでカジュラホ空港に到着。ウダイプル旅行時に苦い経験をしたスパイスジェットの便で行きました。スパイスジェットは基本的に乗りたくないのですが、インドのやや田舎の所とかはスパイスジェットしか運航便が無かったりするので、地味に痒い所に手が届いてしまう航空会社なのです。。。例によって着陸前のシートベルト確認や席・机を戻すようなアナウンスは一切なく、ドゴオォンという墜落したのかという音と衝撃と共に、着陸しました。本当に、いつか事故を起こす前に改善してくれと切に願います。
カジュラホの町は小さく、UberやOlaなどは使えません。私が宿泊するHotel Harmonyまで、空港からプリペイドタクシーで向かいます。道中には殆ど何もなく、町は寺院を中心にした小さなマーケットがあるだけ。そこで暮らす人々は基本的にみな顔見知りです。その日はもう夜遅かったので、空港で買ったポテトチップスを夜飯代わりに食べて、就寝。
西側の寺院に到着!したい。
カジュラホにはいくつかの寺院群があり、それぞれ、Western Group、Eastern Group、Southern Groupといった区分があります。一番有名且つ規模が大きいのがWest Side、西側の寺院群です。ホテルからEast Sideまでは歩ける距離にありますので、朝起きて朝食も食べずに取り敢えず寺院に向かいました。
街を歩いて感じたのは、本当に人が良い。デリーや観光地で声を掛けられるとほぼ100%客引きか、外国人をただ馬鹿にするだけ。なので基本的にインドでは町の人に声を掛けられるのはだいたい面倒なことになります。しかしカジュラホでは、本当にただ人と会話をするために声をかけてくれるのです。「元気か?」「歩いていくのか?気を付けろよ。」「今日は結構冷えるな。チャイ飲んでくか?」みたいな。損得勘定や悪意のない人とのふれあい。インドに来て忘れていた。その道中、若いインド人に声を掛けられた。外国人に対する好奇心もあるのだろうが、色々根掘り葉掘り聞かれた。でも、別に不快じゃなかった。本当に自分の好奇心から質問しているし、私のことを尊重して、気分を害さないように配慮しているのが伝わるからだ。
GoogleMapに従って西側の寺院群と思われる付近に到着。取り敢えず入れそうな門から中に入ってみる。歩いていくと、奥には立派な寺院が一つ。Matangesvara Templeというらしい。かなり立派なお寺である。しかし、ここは地元の人が参拝しているようだが、観光客の姿は見当たらない。
来た道を戻ってみると、道の左手にフェンスが有り、その奥に4,5個の寺院が並んでいる。恐らくあれが所謂West Sideの寺院群だろう。入ってきた門から出ても、どうやってあそこにたどり着けばいいのか分からない。ちょっとうろうろしていると、サングラスをした若者のインド人が声をかけてきた。私がヒンディー語で答えると、ヒンディー語出来るのか?と嬉しそう。こちらも嬉しくなる。「あっちの寺院群に行きたいんだけれど、どうやっていくの?」と質問すると、「昔はここから入れたんだけど、今は出口専用なんだ。入るには池をぐるっと回る必要がある。いっしょに行くか?」と親切なお誘いを頂いた。「よろしく!」と言ったはいいものの、インドでよくあるのは、これで「ちょっと寄ってきなよ」とお土産屋に連れていかれるケース、「ガイド料くれ」とお金をせびられるタイプ。まあ、現在地から池を回った入口までは1kmちかくあったので、ありがとう代も込めてお金は最悪上げてもいいかな、と思いながら世間話をしていた。そして入口に到着すると、「Brother、楽しんでこいよ!」と。
なんていいやつなんだ。ちょっとでも疑ってごめんよ。軽くハグして、感謝を伝えて中に入ることにした。最近のインドの観光地ではよくある、QRコードを読み込んでUPIでお金を支払いE-ticketを発行する。
Western Group(西側の寺院群)
入口から、寺院群のある場所までは約1kmの距離が有り、電動リキシャで移動することができる。池をぐるーっと回って入口にたどり着く感じ。ただ、私はそもそも歩くのが好きなのと、池や川のような水辺を見るのが好きなので、電動リキシャの乗車を拒否して歩いて向かうことに。
10分程度歩いたところで、寺院群に到着。寺院の美しさにかなり圧倒されました。一つ一つの寺院の名前を写真に撮ったりするのを失念したので、良かった写真をダイジェスト的に添付していきます。
カーマスートラは、例えばこんな感じ。
3人で楽しんでいるシーンや、それを見て目を覆うシーン。
中には馬と行為をする像も(写真失念)。体位とかシチュエーションとか、もういろんな点で1000年前には全て探求しつくされていたんだろうな、、、などと謎の感傷にふけっていました。
寺院にはヨーロッパや北米からの観光客もいたが、混雑しているということは無く、どの寺院も落ち着いて鑑賞出来る。ある寺院を見ていた際、白人の夫妻が寺院の周りにいるリスや鳥などの野生動物の写真を撮っていた。寺院の像の上に、美しい緑色の鳥が止まっているのを見つけた私は、カメラを持つ奥様に「フォトジェニックな鳥がいるよ」とお伝えすると、奥様は「ありがとう!最高ね!」という反応。カジュラホは周りにいる人の温かさを感じるから、自然の自分の振る舞いも温かい振る舞いになっていく気がする。
(Reneh Waterfall)
寺院から出ると、先ほど入口に案内してくれたサングラスの若者とばったり出会った。先ほど送ってもらったお礼をして、少し話していると、そこに丁度今日の朝色々私のことを質問してきた若者もいた。話を聞いていると、どうもこの2人は友達らしい。サングラスの若者がクリシュナと言う名前で、もう一人の朝出会った質問を沢山してきた若者がアシュトシュと言う名前とのこと。
半年のインド旅を続けて、インド人に対する疑心暗鬼度合いが増している私は、「あれ、こいつらもしかしてグルでお金巻き上げようとしてきてる?」とかちょっと思ってしまった。ただ、「一緒にチャイ飲もうぜ!」と誘ってくれたので、まず取り敢えずチャイを飲むことに。アシュトシュの友人のお店という宝石屋に入り、そこでチャイを飲むことに(これも、お土産買わされるんじゃないか?と疑ったが何もなかった。ただ本当に場所を貸してくれただけ)。
また、このカジュラホには日本語を話せる人も結構多くいた。その中の一人は、埼玉県に15年くらい住んでいて、コストコで働いていたということ。そこにいた友人と、2025年の大阪万博に行く予定とのことだった。
チャイを飲んで2人とひとしきり話し、この後のプランはどうするんだ?と聞かれた。特に何も考えてなかったので、お勧めを教えてよ。と伝えると、”Reneh Waterfall”という名の滝が有るらしい。地球の歩き方にも乗っていないので、地元の人が知っているようなところなのだろう。今我々がいるカジュラホの中心地からバイクで30分程度。「一緒に行こうぜ」と言われたので、言われるがままについて行くことにした。一台のバイクに3人乗りで、まあ勿論ヘルメットなど無い。3人できゅうきゅうになって座りながら、お互いにいろんなことを質問したり話したりして進んだ。途中、バイクの給油の際は当然かのように私にお金をせびってきたが、まあ普通にガイド料とかと考えたら破格だし、勿論払った。途中、歌を一緒にうたおうぜという流れになり、日本の歌も色々歌ったが、その時ウケたのは、丁度私がヒンディー語の練習も兼ねて練習していた、ヒンディー語版A Whole New World。
入場料を(全員分)払い、滝に到着。正直、何故ここをもっと観光名所として推さないのだろうと思うくらい、自然に圧倒された。第一印象としてはアメリカのグランドキャニオンのような感じ。
私が訪問した際は乾季の為に滝の落水量はそれ程多くなかったが、下に川が流れており、その大きさもかなりのものだった。雨季の時にはもっと勢いよく滝が流れるらしい。もし自分一人だけで孤独に地球の歩き方とネットの情報を頼りに旅していたら、絶対にこの絶景を拝むことは無かった。一人旅をしている際、ふらっと偶然の出会いについて行く面白さがここにある。いつもそれが良い結果を生むわけではないのだが、時として素晴らしい経験にかわるのだ。
夜。地元のシヴァ神のお祭りに参加
滝から戻り、一旦ホテルにおろしてもらった。2人が、「この後シヴァ神のお祭りが夜6時からあるから、是非参加しないか。」と誘われた。この旅では、もう偶然の誘いを断らないと決めたので、二つ返事でOKした。
6時過ぎになり、マーケットから歩いて寺院に向かった。その寺院は、一番最初に訪れたMatangesvara Templeで行われるらしい。地球の歩き方に掲載されている、シヴァ神の銅像があるカジュラホ中心地から1時間ほど車で南に下ったところにある寺院があるのだが、なぜか勝手にそこにバイクで行くと思っていた。勘違いしていた。ちょっとがっかりしたが、取り敢えず言われるがままに靴を脱ぎ、寺院の中に入った。
寺院の中は写真撮影が禁止されている。寺院の中はそれ程広くないのだが、そこに30人以上の人が集まり、30分以上シヴァ神のご神体の前で、皆が祈る。祈りの過程として、15歳くらいの女の子3人組が、(楽器の名前も分からないが)金属系の、振ると音が鳴る楽器を延々と鳴らし続ける。とある男性は太鼓を叩き続ける。その隣で男性二人組が大音量のトライアングルみたいなものを慣らし続ける。これが30分以上に渡って延々と続く。その場では何も声は発せられず、ただ周りにいる人々は、各々自分の願いをシヴァ神のご神体に向かって祈る。
これをみて感じたのは、この女の子3人組のように小さいころから訳も分からずにヒンドゥー教の祭祀に参加させられ、また閉鎖的な空間で、これを行う意味なども確りと教えずに、大音量のスピリチュアルな空間にいるという状況。悪く言えばある種の洗脳。宗教への帰依ってこういうことなんだろうなと。全く宗教をマイナスにとらえているわけではないのだが、このようなスピリチュアルな空間に居続けると。何らかの形で宗教への帰依ということを考えざるを得ないし、自分が行っている、外部の人間からすると意味が分からない行為に、自分の中で意味を見出していく心の動きが出てくるのだろう、と思った。この女の子たちのファッションや身に着けているものは日本の中高生とそれほど変わらないし、iPhoneだって最新機器を持っている。でも、日本では有り得ないような宗教への入り込みが、確かに生活の中に根付いている。これって面白いなと思った。
また、全くの余談であるが、6時過ぎにマーケットに集合してからお寺に向かうまで、アシュトシュは、「日本人のgirlfriendだ」と言い張る女性とビデオ通話をしていた。巻き込まれるのも面倒だったので私は私でデリーにいる彼女と電話で話しながら、彼と日本人女性との話をうっすらと聞いていた。恐らく女性は40歳前後くらいで、前後の会話から女性は大阪でインドカレー屋さんを経営しているらしい。彼女は多分、数回インドに来て、その過程でカジュラホにいる彼と出会ったのだろう。話を聞いていると、もしかしたら1回なのか数回なのか、体の関係を持ったこともあるかもしれない。しかし女性の反応は、最初は普通に話しているような感じだったが、話が深まってきてよく聞いてみると「もう電話しないで」「(他の人の子供を)妊娠したの」「意味わかんない」とかなんとか、そんな言葉が聞こえてきた。恐らく女性としてはアシュトシュからの連絡はただのうざ絡みなのだろう。いちいち律儀に電話に出る女性もどうかと思うが、こういうケースを見ていても、インド人に連絡先を教えたり、無邪気に写真を一緒に撮ったり、はては一緒に行動したりするのは危険だなと思う。アシュトシュは彼女のことを本当の彼女(My Honey)だと思い込んでいるようだったし。
夜、またチャイを飲みに行こうぜ!とのことで歩いていると、アシュトシュの前のBossだという人の店に入り、座ってチャイを飲むことに。この店主がまあ意地の悪い人で、「これは単なる会話だよ」とかなんとか言いながら、海外から来た所謂インテリ層の私を討論で言い負かそうとしか考えてない人だった。たとえ私の言っていることの5%も理解出来ずに反論してきたとしても、もうめんどくさいので「そうだね」といって流すようにしていた。私が彼に降伏したと勘違いした彼は半笑いで「気を悪くしたらごめんな。ただの会話じゃないか。」とかなんとか言ってきたのでまあむかついた。本当はクリシュナとアシュトシュとこの後酒でも一杯飲むかという雰囲気になっていたのだが、まあむかついたので、その日はホテルに戻り、就寝。
次の日からは次回のブログに投稿します。
(第14回インド旅行記 カジュラホ(Khajuraho) その2 - カジューのインド徒然草 (hatenablog.com))