カジューのインド徒然草

インド(ニューデリー在住)。旅行記を中心にインド生活を綴る。ヒンディー語も勉強中。20代中盤のインド大好き若手駐在員の徒然なる日常を書き記します。

第9回インド旅行記 グワハティ(Guwahati)

Guwahati(グワハティ)はインド北東部Assam(アッサム)州の州都で、北東インドの窓口とも言われている。正直訪問前は、アッサムと言えばアッサムティーくらいしかイメージが無かった。然し、アッサム(グワハティ)到着後に思ったのは、「あれ?全然お茶を推してないじゃん」という感想。空港はとても大きいのだが、特に空港内にお茶が売っているわけでも、大きな広告が打たれているわけでも無かった。ちなみに、このブログに何度も登場している私の友人のアクシェイの友人で、家を借りる際にかなりお世話になった(一時家賃を立て替えてもらった)サンディープという友人がいる。サンディープが働いている会社の本社がグワハティにあるのだ。このことはすっかり忘れていたのだが、グワハティ滞在時のアクシェイとの会話の中で思い出すこととなる。何の因果か、ちょうど私がグワハティに到着したその日、とあるアクシェイの友人と、アクシェイの叔父もグワハティに来ているとのことで、いくつかの観光地は一緒に回ることになった。

 

街を眺めて

まずグワハティに到着して、ホテルに向かった。Uberでホテルを検索して向かったのだが、降ろされたのはホテルから1kmくらい離れた場所。確かにUberの目的地はここを指しており、運転手に文句も言えない。たまにUberで場所検索すると謎の場所に連れていかれることが多いので、基本的にはGoogleMapとかでダブルチェックするのだが、今回はもう良く分からず着いてしまったのでまあしょうがない。せっかくだから街歩きも兼ねてホテルまで15分程度、歩いてみることにした。グワハティのあるアッサム州は、基本的にベンガル語公用語とされる地域。文字はヒンディー語デーヴァナーガリーとやや似ているが、ヒンディー語の文字をちょっと尖らせたような感じ。頑張れば読めそうな感じもする。街中の表記はベンガル語で、おそらく地元の人同士はベンガル語で話すのであろうが、私調べではヒンディー語通じる率100%であった。ホテルの人からローカルの人まで、基本的にみなヒンディー語で難なくコミュニケーションが取れる人ばかりだった。詳しくはないが、文字も似ていることから推察するに、この2言語は共通するところがままあるのであろう。

 

例えばこの看板の一番上がベンガル文字、真ん中がヒンディー語の文字。

また、インパール(マニプル)の人々がかなり東アジア的な顔立ちをしており、その隣の、同じく北東インドに括られるアッサム州の人々も我々と同じような見た目なのだろうと思っていたが、正直私の目からはデリーと変わらないいつものインド人の見た目だった。本当にインドの多様性って難しい。

この前に訪れていたマニプル州インパール旅行記はこちら。

第8回インド旅行記 インパール(Imphal) - カジューのインド徒然草 (hatenablog.com)

 

ブラフマプトラ川

正直グワハティに来たときは何の計画も立てていなかった。ホテルでアクシェイと話し、次の日にアクシェイの友人と伯父と合流し、3人でKamakhya Templeにお参りすることは決めた。但しそれ以外は一切何も決めていなかったので、Youtubeのインド旅行系Vloggerの動画を見ると、どうやらブラフマプトラ川をロープウェイで渡ることが出来るらしい。ちなみにこのブラフマプトラ川とは、インドの中でもかなり大事な川で、ガンガー(ガンジス川)、ヤムナー川、クリシュナ川、カヴェリ川などと並んでとても神聖かつ重要な川である。どうせだったらと思い、ホテルからUberでロープウェイの入り口まで行き、外国人料金を払ってロープウェイに乗り込んだ。ロープウェイから見る川の景色もとてもきれいで美しかった。全体的に、ガンガーと同じくらい大きくパワーも感じるような川なのに、ガンガー程観光客が殺到しておらず商業化され切っていないので、落ち着いてゆっくりと川を眺めることが出来た。

ロープウェイからの景色。真ん中奥の中州にはお寺もある。

 

ブラフマプトラ川の中州に、とあるお寺がある。私はてっきりこのロープウェイでそのお寺に行くのだと思っていたら、どうやらこれはただ川を横断するだけのものらしい。川を横断してみるとそこは、文字通り何もなかった。降りてすこし歩いたところに、2、3の小店があるだけだ。他のインド人観光客も、ほとんどの人がそのお店だけ覗いて、ちょっと川を眺めてまたロープウェイにのって戻っていく。でも私は、せっかく来たのだから探検して見ようと思い、人のいない道を進んでいく事にした。

ロープウェイから降りて坂を下ると、店と呼んでいいのか分からないような店が数個並ぶのみ。

 

先ずは、ロープウェイから降りて右だ。道を歩くと、ぽつ、ぽつとヒンドゥー教の祭祀に使うものが見られる。ずっと歩いていると、黒い小さなヤギさんを見かけた。さらに進んでいくと、小さな集落のような物が有るらしい。ヤギ、ニワトリ、ウシなどの動物が当たり前のように道を歩いている。くるくると回ってみたが、ここには集落しかないらしい。

店に向かって右に進むと、ぽつぽつとこのようなヒンドゥー教の建築物が見られる。

崖の下には小規模の寺院も見られた。

店が有る訳でも無く、大きな道に通じているわけでも無い。川を挟んだグワハティの市内中心部とは大きな違いだ。一つ川を挟むだけで、ここ迄世界が違うのかと思った。

億に進んでも小さな集落が有るのみ。

 

次に、ロープウェイから降りて、左側の道を探索したい。集落からロープウェイの降り口の方へ戻り、降りて左手の方へ足をすすめた。ここにも集落が有るらしい。外国人はかなり珍しいのか、子供たちは奇異の目で私を見る。こちらの道も、かなり多様な動物が一緒に暮らしている。ヤギ、ウシ、ニワトリ、カモ、サル、ウシが半径50m以内に一緒に暮らしている姿を、生まれて初めて見た。

屋根の上にはサルがいる。

その目の前の駐車場では、ヤギとカモが一緒に過ごしている。

進んでいくと、川辺があった。大きな川の悠久の流れを感じながら、ただそこにいた。先ほども書いた通り、ここではガンガーと同じくらいのパワーを、誰にも邪魔されずに感じられるような気がした。

先客がいた。が、誰にも邪魔されずにこの雄大な川を体全身で感じることができる。

 

街を散策していると、ヒンドゥー教の寺院こちら、という看板を見つけた。看板に沿って進んでいくと、そこには恐らく観光客などこれまでに来たこと無いのではないかという程のローカルな寺院を見つけた。靴を脱いで入ると、中には牛がいた。「インド過ぎだろ」と思った。これ迄も色々なヒンドゥー教寺院をおとずれたが、以外にも中にまで牛がいるのは初めて見た。私の個人的に好きなガネーシャも確りと祀られていた。

寺院の中に数匹の牛がいた。

思わず「インド過ぎだろ」とつぶやいてしまった一枚。

 

ここでも確りガネーシャは祀られていた。




参拝を終えて、ロープウェイに戻ろうと思うと、何やら帰り道が騒がしい。行きの道ではゆっくりとしか歩いていなかったヤギの集団が逃げるようにこちらに向かってくる。何かあったのだろうかと思い、帰り道を進んでいくと、若者(高校生くらい)たちが、サルに向かって石を投げて遊んでいる。確かに、先ほどまでかなり家の近くにサルの集団がいたのだが、彼らに向かって石を投げて、当たったとか惜しいとか、遊んでいるのである。とっても悲しい気持ちになった。ここまで間近で、人が好奇に駆られて動物を狩ろうとしている姿を見ることが無かったからだ。考えすぎかもしれないが、例えば白人入植者が原住民を殺していたのもこんなノリと雰囲気だったのだろうな、とかまで考えてしまった。

 

最高のスターバックス

復路のロープウェイにのり、グワハティ中心部の方に到着した。そういえば、朝この道を通った時、ロープウェイの近くにスターバックスが有るのが見えた。どうせだったら行って見ようと思い、歩いて5分程度の位置にあるスターバックスに到着した。なんとこのスターバックス、入場に50ルピーかかる。ただ入って見ると、その50ルピーの価値が有ることが分かる。店内でドリンクを頼み、外にあるテラス席で飲むことにした。このスタバの眺めは、これ迄はいったスタバの中で最高だった。日が落ちるまでここにいると決めた。ブラフマプトラ川を眺めながら、心行くまで時の過ぎゆくのを楽しんだ。

このテラスでドリンクを楽しむことができる。

ブラフマプトラ川を背景にスタバの容器をパシャリ。

これ迄世界各地の色々なスタバに行ってきた。日本で言うと富山県に世界一美しいスタバと言われるスタバが有るが、今の所このグワハティのスタバがダントツです。

 

Kamakhya Temple(カマッキャ寺院)

2日目は、朝からKamakhya(カマッキャ)寺院に行くことになっていた。前日中に、朝9時にホテルまで車を付けてくれることになっていたので、朝ご飯をホテルで済ませて待っていた。するとアクシェイの友人と、そのドライバーがホテルに到着した。友人は50歳程度であろうか。現在はアーメダバードに住んでいるとのこと。社内では私の仕事や、ヒンディー語の勉強のこと等を中心に話した。彼も、私がヒンディー語を話すととても喜んでくれた。車を30分ほど走らせ、カマッキャ寺院に到着した。アクシェイの叔父を待つ間、チャイを飲んで待っていた。友人は、最初に貰ったチャイを一口飲み、「これはfreshじゃない。作り直せ。」と言ってチャイをはじめから作り直させていた。このような主張はインドの中流以上の人に度々見られ、ホテルのボーイにかなり強い口調でお願いをしたり、皿を再度表せたりする。まあこれも文化なのだろう。自分が取り入れることは無い文化だと思うが。。。

チャイを作り直す。

アクシェイの叔父が到着した。何者だよ、と思ったのだが、軍の車にのってボディーガードと共に、ピカピカの服で登場した。軽く世間話をして、お寺に向かった。お寺迄の参道は日本の観光地のお寺の参道とまあ似たようなもので、どこも同じようなお土産を売っており、同じような地方の名産を売っていた。アクシェイの叔父について行くと、神様に捧げる花やココナツの実などをとある店で購入し、寺の本堂へ入っていった。

参道には土産物屋が立ち並ぶ。

この店で、参拝に用いる一式を購入。

写真撮影もそこそこに、叔父はずんずん進んでいく。一旦私と友人が外で待たされる謎の時間があった。この寺ではヤギが神の使いとしてあがめられているようで、寺院の敷地内には牛よりもヤギが非常に多くいた。子供のヤギが頭をぶつけあって喧嘩をしている姿も見られたし、人間の子供が子ヤギに襲われて泣き叫んでいるような姿も見られた。

神の使いヤギさん

アクシェイの叔父と再度合流し、寺の本堂に入る。暗い階段を降り、地下へ下っていく。中は撮影禁止の為写真は撮れなかったのだが、このお寺もかなりパワーを感じた。奥には地下水が湧き出ているかのような場所に、ご神体がある。言われるがままにマントラを唱え、煙を頭にかける。お金を出せと言われたが現金を持っていなかったので友人に借りた。

カマッキャ寺院外観

寺院の壁には美しい神像が彫られている。

ひとが押し合い押し合い前に出てくるので、本当に危ない。一歩間違えれば事故になっていると思う。本来であれば本堂の奥に入っていくのはかなり並ぶ必要があるみたいだが、アクシェイの叔父のパワーでいきなり一番前から入ることが出来た。このお寺は特殊で、おでこに着ける為の赤い粉がいたるところに置いてあるのだが、皆その赤い粉を触った手で銅像や寺の外壁を触るので、銅像が真っ赤になっている。特にハヌマーンの像などは、原形をとどめていない程であった。

赤い粉のついた像

ハヌマーンは原型をとどめていない。

寺院の参拝を終え、アクシェイの叔父とは別れた。友人と、参道にあるサモサ屋に入り、サモサとチャイで腹ごしらえをした。

 

Purva Tirupati Sri Balaji Temple

寺院を出発して、本来であればサンディープの働く会社に挨拶に行くはずだったのだが、担当者が不在となってしまったので、私の頼みで、(これもYoutubeで見た)Sri Balaji Templeに向かった。午前にカマッキャを見ているからだろうか、どうしてもちゃっちく見えてしまった。また、このお寺はそれ程古くない為、白くてきれいなのだが、その分歴史を感じることは出来ない。

数個の寺院が連なって寺院群を形作っている。

白く美しいのが特徴。但し、それ程歴史は古くない。

 

ゲストハウス訪問、別れ

友人も、同日のほぼ同時刻のフライトでグワハティを発つ予定であった。彼はコルカタに向かうとのこと。Sri Balaji Templeを出ると、友人は荷物を取る為、グワハティ滞在中に泊まっていたゲストハウスに向かった。ゲストハウスでは料理人が料理をふるまってくれた。料理を食べた後は、二人で外にある椅子に腰かけて、スマホを見たり仕事の話をしたりして時間を過ごした。帰り際、掃除等を行っていたスタッフに札束、5000ルピーじゃきかない程の札束を握らせていた。インド的だな、と思った。特に中流以上の人は、町の物乞いにもお金を与えたり、身の回りの世話をする人に確りとお金を与えたりするという。それを間近で見たような感覚だった。空港までの道、友人はドライバーに「運転を代われ」と言った。彼は得意げに運転をして、「カジュー、お前から見て運転はどっちの方が上手い。俺か、ドライバーか。」「ドライバーの運転はこうだ(急発進したり急に車線変更しながら)」などと話しており、「いや、誰もドライバーの方が運転美味いとか言えないし、上司になったらめんどくさいタイプだなぁ」と少し思ったのは内緒。空港に着くと、ラウンジに入って時間をつぶした。友人は急に自分の娘に電話をかけ、私に代わらせた。特に話すことは無いのだが、ヒンディー語を勉強していること等を話した。ラウンジで時間をつぶし、彼はコルカタへ、私はデリーへと旅立った。

 

備忘録
  1. 元々、友人であるアクシェイがいなければこの旅はこれほどまでに充実しなかった。信頼できる友人の信頼できる友人へと友人の輪を広げていく事が、特にインドで旅をし生活していく上では非常に大事なことだと思う。
  2. 動物に癒された。グワハティでは、デリー近郊では見ることのできないような、ヤギやニワトリ、カモなどが、しかも本当に同じ場所で生活している。そして人間の生活の中に溶け込んでいる。そのような状況が私には新鮮で、そして心がほっこりするような瞬間だった

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