カジューのインド徒然草

インド(ニューデリー在住)。旅行記を中心にインド生活を綴る。ヒンディー語も勉強中。20代中盤のインド大好き若手駐在員の徒然なる日常を書き記します。

第10回インド旅行記 コルカタ(Kolkata)

West Bengal州に位置するコルカタ。人口は1000万人を超えるインド有数の都市であり、人口密度はインドでも有数。昔はカルカッタと呼ばれ、インドが英国占領下にあった時代の首都。マザーテレサが、修道院の周りのスラムにいる人々の暮らしに衝撃を受け、その後恵まれない方のために死を待つ人の家作った場所がコルカタ東インド会社に派遣されたとある英国人は、コルカタを“宇宙で最悪の場所”と形容したとか。とまあこんな話が先行して頭の中に来ている為、コルカタのイメージと言えば、汚くて人が多くてカオスでぐちゃぐちゃで、、、そんな先入観を持って入りました。12月初めのことです。

 

到着

空港に到着した。デリーでは大気汚染がもう尋常じゃない水準まで悪化していたが、それはコルカタも同じだった。ややデリーよりはまし、と言ったレベル。デリーは10月末から朝晩の気温が肌寒くなり、12月に入ると長袖必須の気温まで落ち込んでいたが、コルカタの気温はまだ30℃近くで、着いた瞬間に服装失敗したと思った。だからインドは難しい。

 

Dakshineshwar Kali Temple

空港到着後、町探索もそこそこに、Dakshineshwar Kali Templeに向かった。空港とコルカタの中心部からやや離れた場所にあったので、先に回っておこうという魂胆だった。

寺院入口

寺院内にある池。寺院は撮影禁止。

寺院は確かにかなり大きく立派なものであったが、これ迄に見てきたウダイプルのEklingji Templeや、グワハティのKamakhya Templeのような、ヒンドゥー教の持つミステリアスさが爆発するような場所では無く、いち観光地としてのお寺だな、という印象。構内は撮影禁止だったので写真は無し。靴やカバンだけでなく、携帯電話まで持ち込み禁止という徹底っぷり。靴等を預ける場所には長蛇の列が出来ていた。

奥に見えるのが寺院。手前に、靴等を預ける為の長蛇の列が出来ている。

 

ここで驚いたのは、この靴などを預ける場所に出来ている長蛇の列での出来事だった。インドでは人を抜かして横入りするのは当たり前。本当に腹立たしい限りなのだが、気を抜いていると抜かされるし、逆に言えば自分も何とか抜かして前に行かないと、みんなが我先にと前に進むのでにっちもさっちもいかなくなってしまうことが多々ある。だから、列に並んでいるときにささっと前に入られることは(むかつくけど)流してしまうこともままあった。然しこの日は、私たちの前に並んでいたインド人のお姉さまの行動に驚かされた。私の前に、なにやらヒンディー語でもごもご言いながら入ろうとしてくる人がいた。ヒンディー語で話しているから何をしゃべっているか分からないし、雰囲気的に前の人の知り合いなのかな?まあしょうがないか、などと思っていると、そのお姉さまが「後ろから並びなさい!たとえ携帯電話一個であっても、ルールを守って並びなさい!」「(私たちに向かって)あなたたちも注意しなさい!注意しないからこういう人たちはルールを守らないの!」正直面食らった。自分はどこか、「まあインド人だから抜かすのはしょうがないな」と思っていた節があった。でも確かに、ちゃんとルールに則って並んでいる我々が確りと声を上げて行かないといつまでも変わらないな、と思った。実際、今回の列では私とお姉さまの間には誰一人割り込みさせなかった。(結局、私の後ろの後ろくらいに割り込んでいたので解決はしていないのだが。。。)この出来事以降、インド人の割り込みに対して確りと声を上げるようになった。当然のように割り込む人に対して、「ちゃんと後ろから並びなさい」と伝えることができるようになった。まだまだ発展途上ではあるが。。。また、このようなことを正確にインド人に伝える為にもヒンディー語を更に磨いていかないといけないな、とも思っている。

寺院の裏には川が流れている。

 

コルカタの街並み

寺院を出てからホテルに向かう道中、コルカタの街並みを眺めていた。街並みを見て私が感じたことは、想像の100倍綺麗で、しかも英国らしさとインドらしさが融合して、独特な美しい街並みを作り出している、ということ。イメージ、上物というか箱は英国様式で建設されているが、その中身はインドの店であったり、インド的な汚れ方をしている、といったイメージ。コルカタのシンボル的存在である黄色タクシーはとてもかわいらしく、どこを切り取っても絵になるような街だなとさえ思った。

コルカタの街並み。英国情緒が感じられる。

英国時代の建物に、インドの店が入っている。手前には黄色のタクシーが。

寺院からホテルに向かう際はUberを利用していた。普通に車に乗っていたら、凄い衝撃音と共に後ろから車が追突。我々の乗っていた車はタイヤがパンクしてしまい、進めなくなってしまった。道半ばで新しい車を探すハメに。我々は新しい車を呼ぶだけなのだが、ぶつけられた運転手の人が不憫すぎる。ぶつけたほうは、運転手と言い合った後どこかにいってしまった。インドで事故が起こった時はいつもこのような対応なのだが、自己に関して警察って機能してないんだろうか。運転手はJAFのようなものを呼んだのだろうか、運転席でハンドルに頭を付けて眠りについていた。

思いっきりパンクしている。

 

ホテルに無事到着した。然しその日、私が持病のアレルギーによる鼻炎の悪化と発熱でダウンしてしまった。夕方から夜にかけてはホテルで過ごすことに。本来であればコルカタの有名なコーヒーショップや、古本屋を回る予定であったが、これは次回に回すこととする。

 

St Paul Cathedral Church

翌日、朝起きてホテルの朝食をとる。まだ体は本調子ではないものの、外に出ないとどうしようもない。ホテルから歩いて行ける距離に、St Paul Cathedral Churchという大聖堂があった。インドでキリスト教の教会や大聖堂を見ることは殆ど無い為、珍しさもあり行って見ることにした。

St Paul Cathedral Church。白くてとても美しい。

まあ綺麗だし、やはりイギリスって凄いなと思わされる。

 

Victoria Memorial

次に向かったのは、これも歩いて行ける距離にある、Victoria Memorial。コルカタで最も有名なランドマークと言ってよいだろう。こちらも、語るより写真を。

Victoria Memorial。美しさに圧倒される。

池越しに見えるVictoria Memorialもとても美しい。

 

内部にも非常に繊細な彫刻が施されている。このようなヨーロッパ的な美を堪能するのは久しぶりだ。インド的な美も好きだが、こちらの方がより洗練された上品な美しさが感じられる。中にある池や噴水越しに見えるVictoria Memorialはまた格別である。

内部も英国風の装飾がされている。

 

美しい彫刻も。



この後は近くにあったガートに行ってみた。

謎のメモリアル。

象さんの自然オブジェ。

 

ガートから見える景色。

Indian Museum

コルカタには、インド最古にして最大の、200年の歴史を持つ博物館がある。美術品等に興味があるのであれば是非行った方が良い。

Indian Museum外観。1814年開館とのこと。

インドの様々な土地で出土した仏教美術ヒンドゥー教の美術、ジャイナ教美術など色々なものを見ることができる。出土した場所と地域を眺めていると、この時期にこの地域ではこんな信仰が盛んだったのだな、であったりとか、Bihar州からはやはり仏教関係の出土が多いのだな、とか、色々思考を巡らせてインドの悠久の歴史に思いを馳せることができる。

ヒンドゥー教の石像。

愛おしい、ダンシングガネーシャ像。

 

Museumを出た後は、コルカタ中心街をふらふらと歩き、Simpark Mallにたどり着いた。これはコルカタのマーケットの中心になっているところで、かなり人がにぎわっていた。帰り際、近くのレストランでドーサ等の軽食を食べ、空港に向かった。

マーケット中心部。

中心部にはSimpark Mallという賑わいの場所もある。
備忘録
  1. どんな土地でも行ってみないとわからない。前評判と思い込みで、かなりやばい場所だと思っていたが、行ってみると違った印象になることは多く有る。今回も、コルカタは言って見て初めて、イギリスとインドの融合を感じられる美しい都市だと分かった。以前南アフリカに行った時も、前評判にビビりまくっていたが、実際行って見るとあれほど美しい場所は無い、と思った。
  2. インドに初めて来た時にも思ったが、この雑多で多様性の塊のようなインドを統一し、このインド人たちを統治していたインドって凄いな、とコルカタで再確認。植民地支配どうこうではなく、単純に凄いな、とふと思うときがある。

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