前回に引き続き、ウダイプル再訪の備忘録を2日目から最終日の3日目まで投稿していきます。街歩き、寺院訪問、サヘリヨーン・キ・バリという庭園の紹介、美味しいレストランのレビューなどを中心に書いています。
その1はこちら。
第16回インド旅行記 ウダイプル再訪その1 - カジューのインド徒然草 (hatenablog.com)
2日目。The Little Prince Cafe
1日目、Lake Shore Restaurantに向かう途中で目を付けていたカフェで朝ごはんを取ることに。Pichola Lakeのほとりにある、星の王子様をモチーフにしたカフェだ。
3人ともそれぞれ違うトーストを注文。トーストはかなりのボリュームだったが味はかなり美味しかった。
朝9時ごろからオープンしていそう。この日の私の体調は最悪で、体のしんどさは昨日からやや回復していたが、喉が完全に終わっていた。1日目はデリー出発前にBlinkitというデリバリーアプリで購入した謎のシロップを飲んでやりすごしていたが、2日目の朝には声が出なくなっていた。
Eklingji Temple
前回訪問時も訪れたEklingji Templeに、私が絶対に訪れたいということで、前日の内にLake Shore Restaurantの従業員に対して、車でガイドしてくれないか?と頼んでいた。Eklingji Templeは参拝可能時間が一日3回(朝昼晩)と決まっており、従業員が夜の時間は忙しいとのことで、朝の参拝時間に合わせて訪れることにした。前回同様従業員が車を回してくれるので、朝10時半にHathi Poleという旧市街と新市街の連結部のようなところで待ち合わせ。ここはリキシャの客引きも多く、外国人が珍しいのもあって色々話しかけられた。
朝のEklingji Temple訪問は初めてだったが、これ迄の旅行で色々回った中でもこのお寺はヒンドゥー教寺院群としてかなりトップクラスだと思う。大きさもさることながら、遺跡と化しておらず現役バリバリの信仰の対象であるという点や、中で執り行われる宗教的な儀式、寺院内にある様々な神像、寺院全体の雰囲気、どれを通してもこのお寺は個人的にかなり良いと感じる。また、最近のデリー近郊のヒンドゥー教寺院にはアヨーディヤのラーマ寺院再建のあたりから、ラーマやハヌマーンの旗・絵で装飾されている寺院が多いのだが、このEklingji Templeはそのような装飾を一切施していなかったことも自分の中では好ポイントであった。
Eklingji Templeの裏の池
前回もEklingji Templeを訪問した際に、裏にある池(ガート)に連れて行ってもらったが、その時は夜の為殆ど景色を見られなかった。池の穏やかな風景もとても良かったし、池から抜けで見える山の景色もとても良かった。
この山の形がかなり特徴的で、ひらがなの”へ”みたいな形をしているのが面白い。またガートでは現地の女性たちが選択したり髪を洗ったり体を洗ったりしていた。
Fateh Sagar Lake
Eklingji Templeの後は、サヘリヨーン・キ・バリという、かつて宮廷の侍女たちがピクニック等を楽しんでいたというとても優雅な場所に行こうと思い、従業員にそこでおろしてもらうように頼んだ。せっかくなら、と言うことで前回訪問時の最初に訪れた、アクシェイの家の近くにある湖、Fateh Sagar Lakeを訪れることにした。湖のほとりには前回はラクダがいたが今回はいなかった。広大な湖と、周りを取り囲む山のコントラストがとても美しい。
また、この時には、私の喉は引き続き終わっていたのだが、声はやや出るようになっていた。咳も結構出ていたので、周りの人にはご迷惑をおかけした。。。
Pratap Gaurav Kendra
Fateh Sagar Lakeを一通り歩いてみて、車に戻り、元々の目的地であるサヘリヨーン・キ・バリに向かって車を進めていたが、車を運転してくれていた従業員が、「Tiger Hillという丘の上に、かなりでかいモニュメントが建っている。せっかくだから見ていきなよ。」と車を走らせ、そのモニュメントを見せてくれた。
到着すると丘の上に、かなり大きい人物像が建っている。夜ここを通るとちょっと怖いな、と思わせるくらいでかかった。
モチーフになっているのは、City Palace内にあった資料館にもよく記載が有った、Pratapという名のウダイプル建国の父(?)的な人の大きな像らしい。丘を上がると中には資料館もあるらしい。道を挟んで反対側には綺麗な、ホテル兼レストランがあった。中には入らなかったが、写真だけ取らせてもらった。
サヘリヨーン・キ・バリ
また車を走らせてもらい、やっと目的地のサヘリヨーン・キ・バリの入り口付近に到着。
入口にはかなりの観光客がいるのが見えた。到着したころには既に昼の1時過ぎだったので、ここからまた観光することを考えると、先におなかを致しておいた方が良いと考え、一旦近くにあったスタバに行くことにした。ドリンクと軽食を注文し、休憩も兼ねて腹ごしらえ。このスタバはホテルに併設されているようだったが、立地的にはPichola Lakeのあるウダイプルの旧市街からも、近代的なモールなどがある新市街の中心地からもやや離れた場所にあるので、何故ここに作ったのだろう?という印象。実際、お昼のかき入れ時だったのに、広い店内で利用者は3グループくらいしかいなかった。我々からしたら空いているから落ち着いていていいんだけど、経営大丈夫なんだろうか、と勝手に考えていた。
スタバからサヘリヨーン・キ・バリに歩いて到着。入場料を支払って中に入る。先ほども書いたが宮廷の侍女たちがここでピクニックなどを楽しんでいたらしい。中は緑や噴水に囲まれてとても美しく心が癒される場所なので、訪れる価値あり。
但しインド人の観光客もとても多く、ピークシーズンにはかなりごった返すことが予想される。外国人慣れしていないインド人観光客も多いので、インドでよくある”じろじろ見られ”が発生する可能性は高い。中は思ったよりも広く、風景を眺めて心を落ち着けながら散歩していたら1時間くらいはすぐに過ぎてしまうであろう。
City Palaceを訪れたときも思ったのだが、Udaipurの王様は何故これほどお金持ちだったのだろう?そして何故これほどインド的ではない美的センスを持っていたのだろう?と謎が深い街である。この地は確かにスズや石などの天然資源の産出地である為、経済的に潤っていたというのはまだ分かる。しかしデリーからそう遠くないこの地で、独自の文化圏といってよいほどの美しい街並みを建設出来たのは何故なのだろうか。謎だ。早く自分で調べろと言う話だが。
夕食
一旦ホテルに戻り、休憩してから夕食をとることにした。Lake Shore Restaurantの隣のレストランに決定。ここは前回滞在時も訪れたが、Lake Shore Restaurantと比べるとやや店の造りが豪華で、値段も少し高めな印象。彼女がインド人の同僚に教えてもらったウダイプルの名産である、Dal Batti(ダールバッティ)を注文。
それが何なのか良く分からないまま注文したのだが、サーブされて見てみると、小麦粉の団子を揚げたものを(これがバッティ?)豆のカレー(これがダール)につけて食べるという料理のようだ。カレーが美味しいので勿論まずくないが、私個人的にはチャパティやロティの方がカレーには合っているとは思う。お腹にもかなり溜まってしまい、半分くらい残してしまった。
そのままホテルに戻り、就寝。喉がかなり痛いので、ホテルに戻ってからは一言も発さないようにした。
3日目、Cafe Rainbow
朝起きると、やはりまだ喉は終わっている。昨日の朝と同じく、声は殆どでない。それでも最終日の朝食を食べに外に出る。最終日だし、これまで行ってないエリアを探検してみようということになった。宿泊しているホテルの近くで、湖を眺めながら食事できるところが良いかなと思い、GoogleMapなども使って探してみた。一番最初に見つけたレストランは、眺めも最高でメニューも豊富そうだったのだが、注文しようとすると「今日は宿泊者で満杯だから、あなたたちに朝食はお出しできない。」と言われた。正直席はガラガラだったし、それ程朝ご飯を食べている人もいないようにみえたのだが。。。まあそういわれてしまったらしょうがない。そのすぐ隣に”Café Rainbow”という第二候補があったので入ってみることに。
中に入ると、こちらも風が気持ち良いテラス席で、Pichola Lakeを望んで食事ができるとても優雅な場所。メニューのデザインがとてもかわいかった。
各々朝食を注文。私はベーコンとジャガイモを注文。欧州風のメニューが注文できた。ベーコンがサーブされ、チャイと共に湖を眺めながら優雅に食事。
味もとても美味しかった。次来た時も是非行きたいと思った。
その後は街を探索。
City Palaceの前にはお土産屋が立ち並ぶのだが、そこで老人が象の置物やキャンドル立てを売っていた。出来もなかなかよく、ちょっと買ってもいいかな、と思っていた。老人は「これは手作りで作っているんだ」と話し、売り場の前でも何か石をけずってていた。結局買わずに、街ブラを再開した。すると、2日目の朝に行った星の王子様カフェのすぐ横、老人の店とは全く違う場所で、全く同じ象の置物やキャンドル立てが売られていた。売り場の前で石を削っている風だったが、あれも手作り感を演出する為に作ってるふりをしているだけなのでは?普通に工場で大量生産してるのを手作り感を出して売ってるだけなのでは?という疑念がもやもやと出てきた。もし大量生産だったとして、大量生産なら大量生産でいい(むしろそっちのほうが安くて品質もしっかりしていそう)のに、手作り感を演出して、手作りだよと嘘をつく根性が汚いな、と思った。本当に大量生産なのかは分からないのだが。。。また、Tシャツを売っている店の売り文句として、「デリーで売っているものはクソだ、デリーのやつよりいい品質だよ」ということを何回か言われた。インドの客引きに良く有ることなのだが、競合相手をけなすことで自分たちを上に見せようとする手法をよく使う。これは日本人的な考えなのだろうか、そのようなアピールの仕方をされても不快に思うだけだし、自分の商品の良いところをアピールしてくれ、と思う。というかデリーのTシャツの方が多分品質もいいぞ、と思うし。彼女と話していると、彼女の同僚も自分たちの商品の売り込みを行う面談で競合他社を下げるような言い方をすることがしばしばあるようで、難しい問題だなと思った。
最後のランチ
Lake Shore Restaurant近くのガートを訪れた際に、その横にCity PalaceやTaj Palaceを見ながらランチが食べられるおしゃれなレストランが有ることは知っていた。
値段は張るかもしれないが、折角だからと思い行ってみた。
12時前に到着したのだが、その時間帯はまだランチメニューの準備は無いとこのことで、朝食メニューのサラダとサンドイッチを注文。
ウダイプルは、昼間はもう汗をかくほど暖かく、デリーとは気候がかなり異なる。最初座っていた所は直射日光がすごく、木陰の席に移動。
これが最後のウダイプルの景色か、と感慨深いような感情で景色を堪能した。絶対にまた来ようと思ったし、もし時間に余裕を持ってインドに旅行に来てくれる友人がいるならば是非このウダイプルにも連れて行ってあげたいと思う、そんな素晴らしい場所だなあと思った。
ホテルに空港までのタクシーを手配してもらった。ホテルのある旧市街にはタクシーが入れないので、ホテルから1km程度はなれた場所にタクシーが到着。ホテルからタクシーの乗り場までリキシャを手配してもらったが、ウダイプルの道はいつも混雑している。旧市街はそもそも車が通ることを想定しておらず道がかなり狭いのでほとんど一車線のような道ばかり。そんな道でもインド人は前に前に進んでいくし、何故かでかい車で道に侵入しようとするので、文字通り道がスタックしてしまう。この時も30分くらいは一切車が動かない状況になった。そんな時には、リーダーシップを持った人が何人か車から降りて、交通整理をしながら車をはけさせ、前に進んでいく。
特に遅れも無くデリーに到着。私と彼女の二人は、グルガオンにある愛味という日本食レストランへ。愛味ではすためんという名の二郎系ラーメン(?)が食べられるのだが、その日は二人とも何故だか無性にすためんが食べたくなった。空港からUberを手配して、家とは反対側の愛味に到着。すためんを注文しようとすると、今日はすためんやってませんとのこと。。。他のラーメンも今日は出せないとのこと。かなりショックだった。せっかく来たので、つけめん(つけめんは出せるんかい)と焼うどんを注文。お腹いっぱいになり、デリーの家に戻るのであった。
備忘録
- ウダイプルは欧州的な美的センスとインドの良さが融合したような独特の美しさ。インドに来る友人にも是非訪問して欲しいという気持ちはあるが、1週間程度の短い期間だとタージマハル、ガンジス川、ジャイプルジョードプルがメインになってしまうよな、とも思う。ウダイプルの美しさを感じられるのはインドに住んでいるからこその特権でもあるなと感じた。
- 友人の大切さをまた感じている。仮に自分一人で旅をしていたら、絶対にここには来なかっただろう、そもそも知らなかっただろうという発見を、現地の友人と旅行することで味わうことができる。
- お土産屋を見て。手作りでないものを手作りだと言い張り、わざわざ手作り感を演出するために店の前で石を削るふりをする(あくまで疑惑だが、かなりクロだと思う)。自分たちの商品を上げるために競合の悪口を言う。お土産屋を見るだけでもインド人のビジネス感が見えてくる気がする。