カジューのインド徒然草

インド(ニューデリー在住)。旅行記を中心にインド生活を綴る。ヒンディー語も勉強中。20代中盤のインド大好き若手駐在員の徒然なる日常を書き記します。

第18回インド旅行記 バンガロール(Bangalore)

 

2024年3月上旬、インド在住の同級生に誘われてバンガロール&マイソールの旅行に行くことになった。インド在住者(就労者)で最若手層(既に2000年代生まれの人もインドで働いている人がいるのだが)を自負している我々の代で若手旅行に行こうという感じで始まった。デリーから2人、プネから2人、バンガロールから1人の合計5人で旅行に行くことに。Bangalore(バンガロール)は南インドはカルナータカ州の中心都市で、インドのシリコンバレーと呼ばれるような、テック企業スタートアップ、金融企業が集まる大都市である。バンガロールの訪問は今回が初めてなのでとても楽しみだ。また、今回はバンガロールの近くにある観光都市、マイソール(Mysore、Mysuru)にも向かう計画を立てており、それも楽しみの一つだ。

 

マイソールの記事はこちら→第19回インド旅行記 マイソール(Mysore) - カジューのインド徒然草 (hatenablog.com)

 

遅刻遅刻

金曜日の夜のフライトでバンガロールに到着し、土曜日の朝に車でマイソールへ出発。夜にバンガロールに戻ってきて、日曜日はバンガロールで観光。日曜夜のうちにデリーに戻るというスケジュールだ。

この旅行で一番焦ったのは、まず最初の金曜日の夜に、大渋滞にはまってフライトに乗り遅れそうになったことである。その日は家から空港に向かったのだが、家から空港までは夜中とかに空いていて30分、通常で1時間くらいかかる道なのだが、交通規制やらなんやらで道が完全にスタック。(Xで状況確認してところインド人も阿鼻叫喚といったところだった。)

完全に止まっちゃいました。

デリーから向かう友人は既に空港に到着していたので適宜連絡を取りながら、もうこの飛行機はキャンセルして深夜か早朝の便を取り直そうと思っていた。でも、文字通り完全に交通が止まってしまっているので車の中では次のフライトを何時にすればいいのかも分からない。歩道を走っているバイクをヒッチハイクして行くかとかも考えたが、結構歩道や側道も混んでおり、そのまま車に乗って到着を待つことを選択。すると、じわりじわりと牛歩の歩みで前に進み始め、Boarding開始時間の15分前に渋滞を抜けた。この時点でエアロシティの少し手前で、空港到着まで10分程度。空港入場とセキュリティチャックが混んでいなければギリギリ間に合う。幸運にもどちらもそれ程混んでおらず、セキュリティチェックで折角並んだのに「靴を脱げ」と言われてやり直しになったものの、Boarding開始時間5分過ぎにはセキュリティチェックを通過。ゲートにダッシュで向かったところ、まだ搭乗中であることを確認。間一髪間に合った。安堵と共にトイレに駆け込み、用をたしてから搭乗口に向かう。Last and Final Callで何とか乗り込むことが出来た。航空会社はVistaraなのでゆったりと座ることができ、いつの間にか眠りについていた。

到着

そして2.5時間後、バンガロールに到着。空港の綺麗さにまず驚く。

でかくておしゃれ。


そして、デリー空港と比較して、人の落ち着き具合に感心する。そして、カンナダ語が余りにもヒンディー語と違い過ぎることに、(旅行先では毎度のことながら)驚く。よくこれで同じ国という体裁(?)を保っているよなあ、と感心する。プネから来た組と空港で合流し、Uberバンガロール駐在中の友人の家へ。空港から市内中心部までは車で1時間弱程度だ。道を眺めていると、南インドをところどころに感じる。特に、街の全体的な綺麗さがデリーと比べてかなり高い。そしてあまり牛がいない。犬はいるけれどもデリーと比べて牛は少なめかもしれない。既に夜12時近くなっていたのでバンガロール名物の渋滞は特段経験せず、家に到着。かなり豪華な家だったが、家賃を聞くとデリーと比べてかなり安いと感じた。ビールを開け、乾杯し、色々話して就寝。

 

2日目。マイソールに向けて出発。

2日目のメインはマイソール観光なので、また別の記事に記載。ただし朝ご飯は家の近くにあったShanthi Sagarというローカルに人気の店でとることに。

店構えから綺麗。調べたら数店舗展開してるっぽい。


ローカル店だからと言って侮ることなかれ、何と注文はタッチパネルで行い、代金は電子決済。そして出てきた引換券をスタッフに渡すと料理をその場で作ってくれるシステム。(このシステムはインドでよくあるのだが、もう一段階進んで、マックやKFCのように引換券を直接渡さなくても裏の調理場に注文の内容が伝達されるようになるともっといいのになと思う。)

私は折角南インドに来たので、マサラドーサを注文。なんと値段は60ルピー。一口食べると、これはこれはとても美味しい。出来立てということもあるが、これまで食べたドーサの中で一番美味しかった。次バンガロールに来た時も必ず食べようと思った。

ドーサ(食べかけ)

街中で聞こえてくるのは英語とカンナダ語で、ヒンディー語はやはりほとんど聞こえてこない。街中でヒンディー語の文字を見るのは政府系の建物くらいだ。まあ、話してみれば特に教育水準の高い人はヒンディー語を話すことはできるのだろうが。そしてここで感じたのは、母語カンナダ語である南インドの人達も、英語は所謂"インド英語"で、北インドの人たちと同じようなイントネーションなのが不思議だなと思った。そこで簡単に考えた私の仮定は、以下の2つ

  1. ヒンディー語カンナダ語は文字から発音から全く違う言語ではあるが、少なくとも同じ言語体系には所属しており、ヒンディー語とある程度の親和性がある。その為、英語を話す際のアクセントも似たものになる。
  2. ヒンディー語のアクセントに影響を受けたHinglish(ヒンディー・イングリッシュ)が、テレビやインターネットの影響でインド中に影響を与えている。その為、ローカルの言語に拘わらずインドで英語で発信されるコンテンツを視聴しているとどうしてもHinglishを学んでしまう。

個人的には②の影響が大きいのかなとは思う。もしかしたら、私が勝手に北も南も同じアクセントに聞こえているだけで、厳密にはそもそも全く違うアクセントなのかもしれない。調べていないので良く分からないが。。。

 

ともかく、マイソールの観光を終えて夜バンガロールに戻ってきて、バーでお酒を飲み、家に帰ってまたビールを開け、いろんな話をして疲れ切って就寝。

3日目。バンガロール観光。

日曜日、バンガロールの観光を開始。回ろうと考えているのは、①Big Bull寺院、②Tipu Sultan Palace、③Bangalore Palace。そして、お昼にはデリーでは食べられないBeef Steakを食べようという計画だ。

Big Bull 寺院

バンガロールでは結構有名な見どころの一つである、巨大な牛の像が祀られている寺院。横にはガネーシャの寺院もあり、結構面白い。

併設されているガネーシャ寺院。ガネーシャは色々な別名があり、Ganapathiともいうらしい。特に南インドではこの言い方をよく聞いた気がする。


南インドで寺院に来ると、北インドの寺院との違いに驚く。そもそも建築様式も違うし、寺院を彩る像の種類や、よく描かれてる神様や動物もかなり異なっている。バンガロールの寺院では、牛、蛇、ライオンあたりが多く描かれていた印象。

ガネーシャ寺院の前には蛇を祀っていた。バンガロールの他の寺院でも見られたが、デリーでは見たこと無い。


どれも北インドの寺院では描かれることは少ない。Big Bull寺院の境内に入るまでは緩やかな階段を上っていくのだが、その道中に牛を連れた物乞いの女性がいたのが印象的。

牛を連れた物乞いの女性。

実際にBig Bull寺院に入ると、その大きさに結構驚いた。写真で見るよりもかなり大きく圧倒された。

また、Big Bullの像の後ろには確り人気のガネーシャもいて可愛かった。

Tipu Sultan Palace

この宮殿はインドでは珍しい木造の宮殿。Bangalore Palaceに住んでいた当時の領主が、夏の暑い時期には避暑の為にここに住んでいたとのこと。なんと建築時期は1790年代で、インドの木造建築がこの長い年月よく保全されていたな、と感心する。インドの歴史的建造物は往々にして打ち捨てられて誰の目にも止まらなくなってしまうか、何らかの形で破壊されていることが多いので。

内装もイスラム建築と木造の融合が新鮮でとても良かった。写真映えスポットでもあるようで、カップルがパシャパシャと写真を撮っていた。

Bangalore Palace

文字通りの、バンガロールにある宮殿。つい10年近く前まで、マハラジャの居住地として使用されていた。その為か、内部の写真撮影はかなり厳しく制限されている。また、現在も宮殿の前の広場はコンサート会場として使用されており、エアロスミスメタリカ等の世界的な有名アーティストが使用しているらしい。宮殿としてはそれ程大きくないながらも内装はとても豪華で、特にお茶会を開いていたとされる部屋はとても美しい。写真撮影OKにしてもっと人を呼び込んだ方が良いのでは?とも思う。また、現在のマハラジャの写真がいたるところに飾られているのだが、グラサンを頭にのせたやや小太りの写真で、いかにもインドの王子っぽいなと感じた。また、パレスの最後には現在のマハラジャ家族の中国旅行の写真とかも飾られていた。

また、ランチ前には近くにあった南インドっぽいお寺にも訪問。特に何が有る訳でも無かったが、かなり南インド感を感じられてよかった。

念願のステーキ!-Portland-

バンガロールに仕事で来たことある人であれば、恐らく一度は訪れたことがあるであろう有名店、Portland。ここはインドでは珍しい、牛肉(Beef)のステーキが食べられるお店。デリーではビーフはまず手に入らない。一部の店では水牛の肉を提供しているところも有るが、ジューシーさは殆ど無く、味もイマイチな所が多い。しかしここバンガロールでは、激ウマのステーキが食べられるとのことで行ってみた。そしてこのお店のアップルパイも一級品とのことでそれも楽しみだ。

メニューを見ると、シャトーブリアンやらヒレやらテンダーロインやらが並んでいるではないか。インド渡航以来一切ビーフは食べられていなかったので、心躍り胸高鳴っていた。折角なのでここでいっぱい牛肉を摂取しておこうと思い、シャトーブリアン300gとヒレ250gの2つを注文。値段も一つ600~700ルピー程度で、日本のステーキと比べても安い。インドで牛肉は貴重なのでもっと高いかと思っていた為、意外だった。そして料理が到着するや否や、感動で涙が出そうだった。

まずはシャトーブリアンから。確りと肉の味がして、噛み応えもあり、美味しすぎる。付け合わせのマッシュポテトとガーリックトーストも美味い。ヒレステーキがもう一枚あるので、お腹いっぱいになり過ぎないように注意しながらもぺろりと完食。

ヒレ。ミディアムレアで頼んだのが、これがまた最高に美味しい。やわらかい肉の食感。。。久しぶりに味わった。食べきれるか心配だったが、こちらもペロリと完食してしまった。

流石にお腹は結構膨れていたが、アップルパイとコーヒーを注文。これも前評判をしっかり超えてくる美味しさ。インドで(日本的な基準で)美味しいスイーツを探すのって結構難しいんです。

ここにきて感じたのは、食事の選択肢として牛肉が有るバンガロール、良すぎるということ。毎日牛肉のステーキを食べたい訳じゃないのだが、行こうと思ったときに行けるという選択肢は非常に重要だ。逆に、デリー・グルガオンと比べると日本食レストランの選択肢は非常に狭くなってしまうので、一長一短というか、どちらが絶対的に良いというものでもないのだが。

 

帰デリー

その他、ワイナリーなども訪れ、バンガロールを満喫した。

帰りの道では少し渋滞は合ったもののフライトに影響を与えるほどではなく、快適な旅の終わりとなった。そしてまたバンガロール空港の大きさと綺麗さに驚く。なんだかシンガポールやドバイの空港の様だ。

そして一番感動したのが、搭乗時の民度。デリーや他の北インドの都市では、搭乗時間の前から、搭乗ゲートの前に人が集まる集まる。スタッフが「〇〇番から××番まで来てください」と言っているのに我先に進んでいく。その対応に追われてスタッフも円滑に業務が出来ない。その為更に搭乗口が混雑する。というのが日常茶飯事だ。

しかしここバンガロール空港では、みんな落ち着いて自分の番号が呼ばれるまで座って待っている。まるで羽田空港の搭乗口かと思う程、落ち着いていた。かなりインディアナイズされてしまった私は、搭乗時間になってもゲート近くが大混雑しておらず怒号が聞こえてこないので、もしかしたらゲートを間違えたかと思って少し心配になってしまったほどだ。

そして2.5時間のフライトを終えてデリーに到着。バンガロールの綺麗な空気から一転、ピークは過ぎ去ったものの未だ大気汚染のひどいデリーの空気にため息をつき、ターミナルにあるクリスピークリームドーナツを食す。なんと次の日から、初インドの旅人をブッダガヤ案内するミッションがあったため、直ぐに就寝した。

 

備忘録
  1. バンガロールは次の仕事先として真剣に検討したい場所。食事の選択肢が広いこと、空気がきれいな事、そして民度が高いこと。民度という言い方も失礼な話だが、空港での人々の動きの違いを見ていると、やはり北インドとは違うと言える。空気の綺麗さもかなりポイントが高い。インドは好きだが冬のデリーの大気汚染はかなり耐えられないレベルできついので、働く場所を変えるのは十分にアリだと感じた。
  2. インド英語の謎。何故北と南で言語が一切違うのに、同じようなインド英語の訛りになってしまうのか。よく注意して聞くと、同じように聞こえる中にも少しの違いがある可能性が高いので、ヒンディー語という現地の言語を学ぶ者として、今後注意して考察してみたい。
  3. 行きの飛行機でギリギリになってしまった。特に重要なフライトの際はXなどを活用して現在の交通状況を調べ、必要に応じてメトロを使う等してリスクを最小限にする必要がある。今回は奇跡的に偶々間に合ったが、後5分出るのが遅れて居たら、もし運転手が道を間違えていたら、間に合っていなかったかもしれない。

 

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