カジューのインド徒然草

インド(ニューデリー在住)。旅行記を中心にインド生活を綴る。ヒンディー語も勉強中。20代中盤のインド大好き若手駐在員の徒然なる日常を書き記します。

愛らしきインド犬、愛すべきインド犬。

インドにいると、野良犬を見ずに一日を過ごすことは引きこもっていない限り不可能だ。とはいっても野良犬の数は昔に比べたら減少してそうだし、実際に2022年9月にインドを観光で訪れた時よりも明らかに減っている気がする。たった1年前のことだが、当時はエアロシティにも野良犬の群れがいたのだが、今は道に数匹ぽつぽつといるだけで、野良犬の群れも無ければ絶対数も少なくなっている。

2022年9月、エアロシティでホテルの窓から撮影。この後ろにも野良犬が列をなして連なっていた。今のエアロシティではこれほどの野良犬は見当たらない。

2023年の秋、インドの国運を左右するような一大イベントがあった。G20である。インドは議長国として主要各国の中でリーダーシップを発揮すべく様々なことに取り組んだし、その一環として街の浄化運動も行われた。その一つが、野良犬の強制収容だ。政府当局は、各国首脳がデリーに来る前に、インドは綺麗で安全な国ですよ、とアピールする為に様々な方策をとった。でも、私の目からすればどれもこれも場当たり的な解決策でしかないように見えた。例えば、空港からG20開催地までの道にはいくつもスラム街があるのだが、それを道から見えないようにするために、壁を建設する。根本的な解決など何一つない。G20が終わったらその壁を解体して元通りにする。この政策を目の当たりにして、寧ろものすごくグロテスクな感情を抱いてしまうのは私だけではないはずだ。

ロイター通信も以下のように動画付きで報じている。

After slums and monkeys, Delhi removes stray dogs from streets as G20 nears | Reuters

 

G20の前には、街から本当に野良犬がいなくなった。政府発表によると、野良犬を一時的にとある場所に収容して、G20が終わったら開放するとのこと。でも、どの犬がどの場所にいて、なんてインド政府が覚えているわけないし、政府発表では”殺処分はしない”と言っているけれども、実際の所どうなのかはわからない。犬の収容のやり方についても、かなり乱暴な方法で犬を捕獲している動画が海外メディアに取り上げられていた。実際に、G20が終わってからは町の野良犬の数も戻ってきたが、いったい何匹のわんちゃんが元いた場所に戻れたのだろうか。。。

 

私は、いんどのわんちゃんと積極的に関わるようにしている。理由は可愛いからだ。

ジョードプルで出会った子犬集団。これより可愛い空間って、なかなかない気がする。

勿論狂犬病のリスクが有ることは承知しているが、インドの犬はむやみやたらに噛みついてきたりしない。寧ろとても人懐っこく、話しかけると可愛い反応を返してくれる。でもやっぱり衛生的な問題が有るので、舐められたり触ったりした場合は、ちゃんと洗うようにしている。当然だが重要だ。

家からお気に入りのカフェまでの道にいるわんちゃんたち。私の推しは一番手前の子だ。愛くるしい。。。

インドの野良犬は人慣れしており、ちょっと話しかけるだけでこの姿勢。

年末年始にケララに行った際も、砂浜に座っていると何匹ものわんちゃんに囲まれて、ぺろぺろ攻撃の餌食になった。可愛かったので、わしゃわしゃした。勿論、確りと水で洗い流した。

座っていたら寄ってきたわんちゃんたち。ペロペロ攻撃の餌食になっています。

わしゃわしゃしてます。


ある程度気を付けていれば、わんちゃんとどんどん関わっていっていいんじゃないかな、と個人的には思っている。インドで働く日本人の中には、子犬を拾ってきて洗い、ワクチン接種をしたうえで家の中で飼っている人もいるらしい。真剣に飼うことも考えたが、今の時点では会社勤めのため、いつ他の国に異動になるか分からない。さすがにインドを離れるタイミングで外に放すなんて無責任なことは出来ないので、現時点では家の中で飼うことは考えていない。

 

しかし、いまわれわれがチャレンジしているのが、家の前にわんちゃんをおびき寄せて、餌付けして手なずける作戦だ。多めに作ってしまったご飯や、残してしまったもの、やや作って時間がたってしまったもの、などをアルミホイルで作ったお更にいれて、家の周りのわんちゃんにあげる。餌をくれる人として認識してくれれば手なずけることができるのではないかという魂胆だ。

 

しかし、現状は失敗続き。

 

例えば、インドの有名なお菓子であるラッドゥーという白い激甘お菓子をあげてみた。わんちゃんは興味を示して少しぺろっと舐めてみるものの、食べることはしなかった。多分わんちゃんにとっても甘すぎるのだろう。

ニンジンをチンしたものをあげてみた。味付けはほとんどしなかった。するとやっぱり、わんちゃんは手を付けなかった。もっとうまいのをもってこいと言わんばかりに。

上の赤いのがニンジン。わんちゃんは全く手を付けず。他のジャガイモ系料理はそれなりに興味を示してくれた。

自分たちの為に作ったジャガイモと鶏肉のクリーム煮。これは結構わんちゃんに評判が良かったが、鶏肉だけ食べてジャガイモは結構残された。そして、ちょっと家から離れた所にいるわんちゃんにターゲットを定めたのだが、ご飯につられて家の近くまでは来るものの、食べ終わったら元の位置に戻っていってしまう。やはり縄張り意識というか家の意識がある為、ご飯をくれるからといって離れたところに縄張りを移動させようとは思わないのだろう。

ジャガイモと鶏肉のクリーム煮をむさぼるわんちゃん。ジャガイモを残しやがった。ちょっとずつ、好きな味付けが分かってきた気がする。

 

それでも、私はわんちゃんにご飯をあげ続ける。なんとかして、インドにいる間に1匹は手なずけたいものだ。

 

余談だが、インド人のやさしさを感じる点として、街のワンちゃんに対する対応がある。インドでは路上で暮らしている方も多く、恐らくそのような方たちは自分たちの生きることで精いっぱいだと想像する。しかしそういう方は往々にして、自分たちのご飯の一部をわんちゃんにあげているのをよく見る。ここにインドの、動物と共生していくという精神が見えるような気がして、そのような光景をみるのが好きだ。

律儀にお座りして、君は何を待っているの?

みんな同じ体勢で寝ているのは何故。これはシク教寺院の前だが、多分ここにいると炊き出しの残りを貰えるので多くのわんちゃんが住み着いているのだろう。うらやましい。

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